イヤイヤ期、真っ只中の2歳児。
寝かしつけは、この時期、とても時間がかかるんです。
ほかの時期よりも、たいへん。
今までのんびりゆったり、それなりには親のペースで進んできていた子育て。
赤ちゃん卒業、自我が芽生えて、親の思いは空回り。
手を焼き焼くようになりますね。
4人の子とイヤイヤ期をどっぷり過ごし、
4人まとめて寝かしつけ午後8時半を10年実現している、
睡眠の科学を利用した、筆者のライフハック。
「寝てくれない」が「寝てくれた!」に変わる方法をご紹介します。
執筆者:なかむらあけみ(科学ジャーナリスト 4児の母)
1人目出産の際、科学情報のプロでも正しい育児情報が判別できず、混乱した経験から、科学的で「育児の土台」となるシンプルな育児情報を広める活動を行う。各国の科学論文等から”幸せな育児にとって欠かすことのできない3要素”をまとめる。医療関係者等も聴講する講演の参加満足度は過去4年間、98%。
2歳時の寝かしつけが上手にできるコツ
目次
1)2歳のねかしつけの重要さと困難さ
2)2歳時の嫌々期の意味
3)2歳時の身体の発達
4)2歳時が寝てくれない生活スケジュール
5)2歳時が寝てくれるための生活のコツ
6)ここまでやっても夜眠る時間が遅くなる際の最終手段
まとめ
2歳のねかしつけの大切さと困難さ
人間の一生の睡眠リズムは実は一切から2歳までの間に決まってしまうと言われています。いわゆるサーカディアンリズム外日リズムと言うもので体の中の時計がしっかりと2歳前後位までに生活リズムを刻むのです。
つまり2歳時期に乱れた生活をしているとその後の成人した後などにも影響してくると言うことなのです。ですから今一生懸命にあなたがお子さんの生活リズムを整える事は全く無駄な努力なのではなく、将来にわたるとてもとても大事な仕事になります。
ですから家事等をそっちのけで睡眠リズムについて考える事は赤ちゃんやお子さんの将来にとても重要な事なりになります。
お母さん自身が心の安定を図ることが、子どもの睡眠リズムを安定させることにもつながります。家事ができていない自分を責める前に、一生懸命家事を放っておいて子供のことを考えていると言う自分を褒めてあげて下さい。まずはここからのスタートです
寝てくれない2歳 イヤイヤ期の意味
英語で言えば「魔の2歳児」terrible twoと言われています。
けれども。
これはとてもおめでたい時期なのです。
「自分」と言う存在を発見した証拠。
自分のやりたい思いと言う「自我」が芽生えてきたと言うことになります。
今までは親の思うように全てを任せてきた赤ちゃんたち。
彼らが、自分自身を発見している。
これは、その後の人生に大きな影響与える時期です。
このイヤイヤ期、大人が受け入れ、導いていくことが、
彼らの幸せな人生への歩となるわけです。
ですから、イヤイヤすることは、あなたの育児が成功している証拠。
十分に内面が発達している証拠。
いやいや期の親子で楽な乗り越え方については関連記事をお読みくださいね。
読者の方からは「この記事が上の子のイヤイヤ期から読みたかった!」と強いご意見を複数いただいています
2歳児の育児の大変さ。母たちは乳児時代よりも疲弊
1歳から2歳にかけての体の発達は驚異的なものがあります。
運動神経はどんどん日々伸びていきます。
イヤイヤ期の上に、体力もついてきた…。
実は、母親が育児関連で「うつ」症状になるのは、
子どもが0-1歳よりも、2₋3歳の時期の方が多いことが研究で分かっています。
5000人規模の調査ですから信頼性は高いと思われます。
仕事を持つ母たちは子どもの年齢に寄らず、うつ傾向の人は1%程度。
ですが、専業主婦の人は子どもが0₋1歳の人は、うつ傾向の人は1%程度だったのに、2-3歳になると2倍以上の2.3~2.6%になるんです。
(※数に揺れがあるのは、第一子、若年層など異なる条件下で、2₋3歳のみだけ高率であるということを表しています)
この数字を見るだけでも2歳児育児が大変なことが分かりますね。。。。。
あなたは、本当に、本当に大変な時期にいる。
そして本当に頑張っている。
ご自身の頑張りを認めてあげてください。
では、2歳児が寝てくれるためのコツを見ていきましょう。
2歳時が寝てくれるための生活のコツ
1、午前6時半までに起床し、午前中に十分すぎるほど外遊びをさせる
2、午前11時半に昼食。
3、昼寝では午後2時半以降は必ず起こすようにする。昼寝は短めで良い。横になって体を休めるだけでも大丈夫。
4、夕方以降のテレビは午後5時までにしておく。
夕方以降は電気をダウンライトにしてできるだけ自然光に近い形で生活する
5、お風呂は眠る1時間以内に。風呂上がりに体温が下がりすぎないように気をつける
6、ねかしつけ絵本「おやすみロジャー」を使う
7、寝かしつけの「呼吸合わせ」をしてみる
8、親が一緒に寝る覚悟で寝かしつける
1、午前6時半までに起床し、午前中に十分すぎるほど外遊びをさせる
これは、どんな人も良く提唱している話です。
外で体を動かすなら、やはり午前中が一番。
太陽の光を体で浴びて体内時計をリセットしながら思い切り遊びきるとお昼寝、夜の熟睡につながります。
2、午前11時半に昼食。
お昼ご飯は「正午」と考えている人は多いです。でも、赤ちゃんや幼児がスムーズに一日を送るためには午前11時すぎからの昼食がどうやらちょうどよいようです。
保育園でも午前11時30分以降に食べ始める様子。
これは、筆者の実体験で根拠がなくて恐縮ですが、やはり4人を育てた経験でも、「午前11時半ごろ昼食開始」のスケジュールは、乳児・幼児期はものすごくスムーズでした。3歳になっても、末っ子(4人目)は午前11時すぎから「お腹がすいた」と言い始めます。
朝の外遊びから、「正午まで頑張らなくては」と親も思う必要がなくなります。「正午」よりも1時間~30分の前倒しがあるだけで、精神的負担が和らぎます。
3、昼寝では午後2時半以降は必ず起こすようにする。昼寝は短めで良い。横になって体を休めるだけでも大丈夫。
お昼寝は、「子どもが起きてくるまで待つ」なんて必要はありません。スケジュールに合わせた形にしてあげるのが一番です。体調がよくないとか疲れがたまっているといった状態では、ゆっくり目に寝かせてあげた方がいいかもしれませんが、元気な場合は午後2時半までには起こしてくださいね。夜に余計に大変になります。
ただ、「昼も夜もたっぷり眠りたい」というお子さんがいます。この場合はお昼寝も午後3時ごろまで寝かせてあげればいいですが、こういったお子さんは、夜の寝かしつけもスムーズなのではないでしょうか。
4、夕方以降のテレビは午後5時までにしておく。
夕方以降は電気をダウンライトにしてできるだけ自然光に近い形で生活する
子どもの眠りを妨げるもの№1は「人工の光」。
なぜって人間の概日リズムは「太陽光」に浴びることによって左右されるからです。
眠る体制なのに、夜、太陽光に似た光を浴びてしまうと、体は「朝だね!」と認識してしまいます。つまり…寝られなくなるんですね。
特に、ブルーライトや蛍光灯は大敵ですから、夕方や夜にはリビングや寝室の明かりに気をつけてあげてくださいね。
5、お風呂は眠る1時間以内に。風呂上がりに体温が下がりすぎないように気をつける
実はお風呂と寝かしつけ、お風呂と眠りってとっても大事な関係があるんです。
お風呂を上手に使って体温コントロールすることが、2歳児の安眠につながります。
それについては以下の記事を参照してくださいね。
6、ねかしつけ絵本「おやすみロジャー」を使う
人間の行動特性を利用した、眠りへ誘う絵本です。「ゆっくり、ゆっくり」といった同じ言葉の連続で体の緊張をほぐして次第に眠りに誘います。第1作目の「おやすみ、ロジャー」は絵が苦手というお子さんもいるので、絵を万人好みにした2作目「おやすみ、エレン」から入るのが良いかもしれません。
7、寝かしつけの「呼吸合わせ」をしてみる
「ゆっくり、ゆっくり。ゆっくり、ゆっくり。眠ろうね」など、落ち着いた低い声で、のんびりゆったりできるような同じフレーズ(何でも可)を話してあげてください。
しばらくしたら、お子さんの呼吸にあなたの呼吸が一緒になるように、呼吸の速さを合わせてあげてください。
ただ、これ、頑張っても、寝かしつける方が緊張していると成果が出ないこともありますが、成果が出るときは熟睡してくれますよ。
8、親が一緒に寝る覚悟で寝かしつける
何より、これが一番ですね。一緒に寝る。寝落ちする。寝落ち万歳!
寝かしつける人のリラックスした空気感にいざなわれて、2歳さんも眠る…はず。
しかし、我が家の1人目のように、それでも寝てくれない2歳さんもいます。そういうケースのために最終手段は下段でご紹介しています。
2歳児すべてやっても寝ない時の最終手段
9、最終手段は昼寝を飛ばして午後7時までの就寝を目指すタイムスケジュールにシフトする
もう、どうしても眠ってくれない子もいます。我が家の長男がそうでした。2歳のころ、本当に大変で…。6時前後に起きて、朝10時から外遊びしてお外でお弁当食べて…それでも寝てくれない!
なので、昼寝を飛ばすことんしたんです。
ここには、科学的根拠はなく、筆者の単なる体験談ですので、実施される場合はご自身の判断でなさってくださいね。
<イヤイヤ期 最終手段のスケジュール>
午前6時半起床、
午前10時~午後3時外遊び(お昼もお外で)、
午後5時夕食、
午後6時半入浴、
午後7時就寝。
このスケジュールで、ものすごくスムーズになりました。
お弁当はカンタンなものをタッパーに詰めて出かけたり、
健康なお弁当を近所のお弁当屋さんで買って親子でシェアしたり。
実は2番目がまだ0歳さんだったので、長男の外遊びと2番目の朝寝、昼寝などのスケジュール合わせもなかなか大変。
ですが、フラットになるものすごく頑丈な外国製のベビーカーを購入。
次男はベビーカーでお昼寝。山間部の公園など人気のない場所では、長男を遊ばせながら木陰でベビー布団をしいてお昼寝、なんてこともしていました(笑)
まとめ
とにかく2歳さんの育児は、お母さんのうつ傾向も増えることから分かるように、乳児の時期よりも本当に大変なんです。ですから、寝かしつけも大変。
だけど、なんとか、毎日のスケジュールのコントロール、体のコントロールで、眠りを安定させられるよう、生活の改善できることをやってみてくださいね。
もうどうしてもだめなら、昼寝を飛ばすということもアリかもしれません。。。。