子供が動く魔法の言葉

「動かしたい」では動かない

長男が4歳になろうとしていた頃のことです。

引っ越してきた徳島での保育所生活にも慣れ、毎日、泥んこ遊びやプールを楽しんでいました。

しかし!

特に朝の用意をしなければならないとき、何を言ってもダラダラしています。

「早く朝ごはん食べなさい!」「早く着替えなさい!」何度言っても同じです。

毎朝こちらは、青筋立てて、大きな声で同じことを繰り返し言い続けて、もう、へとへと。

お隣さんにも「虐待か?」と疑われていないか心配で、顔を合わせるたび、そそくさと逃げ出しそうになっていたくらいでした。

ところが!その生活が、魔法の言葉で変わったのです。

子供はちゃんと分かっている

それは、保育所の個人面談で先生からもらったアドバイスによるものでした。

「口で言うより、自分の頭で考えさせるのがいいですよ。子どもはちゃんと分かっていますから」

「それでも難しいときは、お母さんが隣にいて、手を出さずに見守っていればきっと大丈夫です」

半信半疑で、すぐに試してみました。

保育所から帰宅後、手も洗わずにおもちゃで遊ぼうとしている長男に普段なら「手を洗ってないでしょ。洗ってきなさい!」と言うところを、ぐっと飲み込み、聞いてみました。

「今は、何をする時間かな~?」

長男はおもちゃを持つ手を止めて、ちょっと考えて、答えました。

「手を洗う時間~」

そのまま、長男はトットッと洗面所へ向かいました。

踏み台の上に載って、石鹸で手を洗おうとしています。

え、こんなにあっけないの?とこちらは目が点です。

それからはもう、この質問方法しか使っていません。

「今は何の時間?」

「それってやっていいこと?」

「ママはいつも何って言ってたっけ?」など、

「~しなさい」「~してはだめ」とこれまで言っていたところを、必ず質問形式で聞くのです。

すると、長男は必ず正しい答えを返して、時間はかかりますが、その答えを自分で行動に移します。
ちゃ~んと理解しているのです。

そういえば、自分のときもそうだった

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そして、私は自分の子どものころを思い出しました。

あぁ、確かに、やらなきゃいけないとわかっていることを、親からやりなさい、と言われると嫌だったよなぁ…。あれと同じ気持ちだったのか…。

右へ左へと操縦桿でロボットを操るように、子どもを言葉でコントロールできるわけがないのです。

私は知らず知らずのうちに、子どもを自分の思い通りに操ろうと思っていたようです。

これまで無駄に怒鳴り散らして消耗していたエネルギーを、今は長男をかわいがることに当てることができています。

朝もニコニコしながら登園するので、お隣さんに出会ってもやましい所なく、にっこり笑えるようになりました。

一歩ずつ進んでいこう

でもね、こんなところで書いていますが、私の子育ては本当に偉そうに言えるものではありません。

3歩進んで2歩下がる、です。

でも、私は、それでいいじゃないかと思っています。

というか、むしろ、下がってよい、位の勢いです。開き直りに聞こえたらごめんなさい。

でも毎日、前進しなければと頑張っているあなたも、2歩下がってみてもいいんです。

下がったら下がったことにいっぱい悩んで、いっぱい怒って疲れて反省して…そして眠って。次の一歩は、子どもと一緒にもっと先へ進むことができるから。

みんなで一緒に気楽に、のびのび子育てやっていきましょう!

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