休校措置への不安。各家庭は「感染させない」という役割を自覚して、安心しよう。

不安を消して顔を上げよう

COVID₋19 一様に混乱する社会

誰もが同様に新型コロナ感染症(COVID₋19)への不安を感じ、社会が混乱している。
わたしは全国紙科学部記者としても何度も感染症の取材を重ねてきたが、今回のような科学情報は、メディアとしての伝え方が非常に難しい。
今回は、これまで以上に政府発表から各紙報道が迷走し、国民が混乱しているのを感じる。
今回の感染症はデータを見ていくと、立場によって一人ひとりの役割が異なることが見えてくる。
一様に、恐れる必要はない。ただ、おのおのの役割を自覚して、安心して対処していこう。

感染者の8割は、無症状か軽症。つまり多くの健康な人にとって「罹患したら死ぬかも…」の不安は意味がない

世界保健機関(WHO)最新報告(3月1日現在)を読み解いていこう。

幸い、日本は初発の国ではない。発生の確認から2か月。COVID₋19の性質は少しずつ分かってきた。
WHOと中国政府との共同調査報告書(2月16₋24日)によると、感染の確認された人のうち80%は、無症状か、軽症だ。

2020年1月1~10日の間では武漢での致死率は17%で重症急性呼吸器症候群(SARS)の10%よりはるかに高いとして世界を慄かせた。しかし、それも医療体制が整ったとみられ、今月1~20日には、0.7%となっている。亡くなったのは、いずれも「基礎疾患のある高齢者」だ。

18歳以下で感染が確認されている人は、全体のわずか2.4%でしかない。若年層は検査へ至らぬほど、無症状の可能性が高い。(なお余談だが、344事例の集団感染(1308症例)の事例調査では、子どもから大人への感染は不思議と報告されていない。これが何を意味するか?全国一律休校措置は果たして意味があったのか?これについては後の研究が明らかにするだろう)。

40歳未満の若い健康な人と子を持つ親は、無意味な恐怖を感じる必要はない

総合して考えると、40歳未満の若い健康な人と子を持つ親は、現在のように無意味にCOVID₋19による恐怖を感じる必要はないということだ。

恐れるべきは、無症状のまま誰かに感染させ、基礎疾患のある人を重症化に追いやるリスクの方である。若い健康な人は「自分たちは、社会を守るために、感染しない、広げない」役割を担っていると胸を張ろう。

基礎疾患のある人や高齢者は、正しくCOVID₋19を恐れて。出歩かない。

一方、基礎疾患のある人や高齢者は、正しくCOVID₋19を恐れてほしい。「自らの命を守る役割」を社会に対して担っていると自覚し、喚起されていない場所へ行くような無防備な行動は絶対にやめたい。国を挙げてあなたたちの命を守るために必死に戦っているのだから。「出歩くな」と言われ、孤独と戦いながら留守番している無数の子どもたちの頑張りを考えてほしい。

あなたのその努力は、確実に社会を守っている。自信をもって顔を上げよう。

私たちは、鳥、豚インフルエンザやSARSを超えてきた。COVID₋19も必ず、超えられるはずだ。むやみな不安に襲われ、思考停止する前に。少しだけ自分の役割を考え、顔を上げよう。あなたのその努力は、確実に感染拡大阻止に貢献し、社会を守っているのだから。

<著者プロフィール>
なかむらあけみ 元全国紙科学部記者 科学ジャーナリスト
「COVID₋19休校措置を乗りきる 親子の幸せサバイバルBOOK」緊急出版準備中

 

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