産後クライシス~授乳直後は、夫婦互いに言動注意!

産後クライシスの原因の1つは、ホルモン

産後クライシス。

産後は、慣れない赤ちゃんの世話で、緊張・睡眠不足が続き

夫婦は精神も体力もギリギリの生活が続きます。

お互いをよほど思いやる心がなければ、

ケンカなしではいられません。

特に妻の心身は、非常に大きな変化をしているところです。

「妊娠・出産モード」から「育児モード」。

これにかかわっているのが、様々なホルモンであり、

中でも大きな役割を果たしているのが

愛情ホルモン「オキシトシン」です。

「オキシトシン」の働きの一つに

「子どもを守りたい」という気持ちを強める力があります。

妻は「外敵」に対して、非常に敏感になります。

音や光、自分に近寄るもの・人にも過敏になる人もいます。

授乳で愛情ホルモン「オキシトシン」が急激UP

実は、授乳は、もっともオキシトシンを急激に分泌させる行動なのです。

妊娠中は、妊娠後期にじわじわと分泌量が増えてきます。

分娩で一気に増えますが、その後は落ち着いてきます。

しかし、産後、授乳するごとに、

パルス状に短時間で急激にUPするのです。

ですから、授乳中、授乳直後の女性は、

様々なことへの神経が

いつも以上に研ぎ澄まされているのです。

(安心できる環境であれば、気持ち良くて眠くなったりもしますよ)

 授乳直後は攻撃的になる?

いいえ。誰に対してでも攻撃的になるわけではありません。

自分と赤ん坊に対して害をなす可能性のあるもの・こと・人に対して

強い気持ちで抵抗しようという気持ちが強くなります。

授乳後の女性に対して、

気分を著しく害するゲームをしてもらったところ

授乳後ではない状態に比べて

非常に強い拒絶反応をしたという研究もあります。

授乳直後の妻へは、あたたかい気遣いを

あなたが夫の立場であれば、

授乳中、授乳直後の妻に対しては

そっとしておいたり、いたわったりしてください。

授乳直後の妻に

「部屋が片付いていない」なんてことを言おうものなら

「外敵」として認定され、

普段以上に険悪なムードになりかねません。

また、急に胸元や赤ちゃんに手を延ばしたりする行為も

妻を過敏に反応させてしまうかもしれません。

なかむらの体験

ちなみに4人目の授乳中のなかむらも、

やはり授乳直後はイライラします。

産後すぐは、普段は全く気にならないことでも

夫に感情をぶつけたり、

不要に上の子どもたちを怒ることがありました。

でも、

「授乳直後は危険」ということを自分で分かってくると

自ら、衝突を避けるコツを学びました。

誰にも邪魔されないよう、

静かに落ち着いてできる場所を選んで

授乳するという技も覚えました。

それから家族には

「授乳直後はイライラしてることが多いから

そっとしておいて」と頼んでいます。

原因を理解しあっていると、双方が楽ですね。

産後クライシスを、乗り越えよう!

産後クライシスは、

妻側、夫側どちらかに原因がある、というわけではありません。

体と心のメカニズムを知れば、

相手を責めるだけの状況から抜け出し、

一歩、前へ進むことができるかもしれません。

 

より詳しく知りたい方はこちらへ↓

産後クライシスの解決についてはこちら

 

科学ジャーナリストなかむらあけみのプロフィール

子どもとあなたが劇的に変わる愛情ホルモン「オキシトシン」の話はこちら

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