陣痛中の強烈な「眠気」は痛みの山場。あと少しで産まれる!

陣痛は待ち遠しい。早く赤ちゃんに会いたいなぁ…。
でも、陣痛のことを考えると、ちょっと緊張しますね。

それだけは、かなり不安です。

陣痛って「鼻からスイカ出すくらい痛い」っていうけど
実際、どれくらい続くの?

筆者は4人の子を出産した科学ジャーナリストです。

雑誌「たまひよ」レベルの知識でいどんだ最初の出産は
陣痛が始まった後も、全く先の見通しが分からず。
この激痛に何時間苦しめばいいんだ…!!!としんどかったのを思い出します。

でも、流れが分かっている3度目、4度目は「やっぱり痛い!」と叫んでいたものの、

痛みの変化が実感できて先の見通しがついていたため、精神的にとても楽でした。

その4回出産した体験のエキスパートで、
科学ジャーナリストが、陣痛中の眠気についてお伝えします。
強い痛みと痛みの間に、強烈な眠気が来るのが一つの合図。
もう痛みの山場なんです!

陣痛中の強烈な「眠気」は痛みの山場

陣痛のクライマックスは「眠気」が目安です!

え、「眠くなるの???」。はい。意外ですよね。

では、見ていきましょう。

<目次>

1)痛みや体の感覚の変化で、分娩の流れが実感できる?

2)陣痛の痛みの流れ(第Ⅰ期、第Ⅱ期、第Ⅲ期)

3)陣痛時に強い眠気を感じたら赤ちゃん出てくるまで、あと2~3時間!?

4)激痛の陣痛の合間でも眠ってしまうほどの眠気

痛みや体の感覚の変化で、分娩の流れが実感できる?

自然分娩の場合は、もちろん個人差はありますが一定の流れがあります。

「この痛みがくると、この呼吸が来ると次はこう…次は眠気が来て…」と予想できるんです。

そういった調査研究を知ったあとでの4人目のお産は、本当に精神的にラクでした。

「あぁ、あとひと踏ん張りすれば出てきてくれる!」って分かるの。

医療者に任せきりにせずに、自分でも自分のお産の状態をある程度、判別できると、

安心感があります。

だから、この情報、知っておいて損はないと思います。

陣痛の痛みの流れ

分娩には第Ⅰ期、第Ⅱ期、第Ⅲ期の3つに分かれると定義されています。

第Ⅰ期…分娩開始~子宮口が全開大(初産婦10~12時間、経産婦5~6時間)

第Ⅱ期…子宮頚部が全開に開いて、胎児が出てくる

第Ⅲ期…胎児が出た後、胎盤が出るまで

実は、この第Ⅱ期の後半、強烈な眠気に襲われる人が多いようなのです。

助産師さんの経験では「眠り産」とも呼ばれており、よく発生することのよう。

けれど、この眠気については、まとまった研究はない様子です。

調べてみると1990年のある研究は、1病院で10か月間に自然分娩した194人中、

7割近い132人が眠気に襲われたと記録しています。

初産の人は8割もの人が眠気を経験。経産婦さんは5割でした(※)。

陣痛時に強い眠気を感じたら赤ちゃん出てくるまで、あと2~3時間!?

この調査では、眠気は、赤ちゃんが出てくる2~3時間前に始まっていたよう。

眠気はだいたい1時間持続して、眠気が終わったころには子宮頚管は全開!

そして胎児が出てくる…という流れが共通していたそうです。

真夜中・真昼などの生活時間は関係ないとのことなので、単に寝不足による「眠さ」ではないようですね。

もちろんお産はひとそれぞれ、個人差は大いにあるでしょうが、

もしも、あなたが陣痛中に強い眠気に襲われ始めたら「この山を越えるともうすぐだ!」って可能性が高い。

眠気の原因は寝不足ではなく「脳内麻薬」?!

脳内麻薬と呼ばれる「エンドルフィン」は分娩中に通常の6倍ほどまで分泌量が増えます。

そのピークは「眠気」と同じ時期の様子(※2)。

眠気はエンドルフィンの鎮痛作用の結果だとされているようです。

単に眠くて眠いのではなく、「脳内麻薬」で気持ちよく眠らされているのですね。

そしてそのあとオキシトシン分泌がどんどん山場になっていきます。

その昔、「眠り産」は上手でないお産だと言われて、

助産師さんに「起きなさい」という指導もあったようですが、

その指導は全然違うと言うことが分かります。

うっとり、脳内麻薬の気持ちよさにみをまかせたほうが得策ですね。

脳内麻薬による、激痛の合間の「休息」?

実は、当ブログ筆者なかむらも、初産の陣痛の合間、強烈に眠くなった時間がありました。

記憶を紐解くと、陣痛が1分間隔になったころ。

それは赤ちゃんが出てくる4時間ほど前でした。

本当に痛いのに、陣痛の合間のわずか1分間に、ぐっすり眠っているのです。

で、また激痛で目が覚め…うとうと…激痛…うとうと…の繰り返し。

この「うとうと」が一休みの休憩となって、激痛に耐えられたような気がします。

自分でも不思議でしたが、単に陣痛で疲れて眠いんだろうと思っていたんですね。

でも4人目の出産前に、たまたま調べて、

「眠気が来たら、娩出はもうすぐ」という事実を知ったんです。

おかげで4人目の時は腹が据わっていました。

激痛の間に、脳みそが、さぁっと気持ちよくなってきて、うっとりし始めました。

そして、強烈な眠気を自覚した時、

朦朧とする頭の中で「あ、これ眠気ね。じゃぁ、この痛みも、もうすぐ。もうすぐ赤ん坊の顔が見える」とけっこう冷静に判断していました。

案の定、それから1時間たらずで赤ん坊は出てきました。

眠気が来ても来なくても、痛みの変化・呼吸の変化が「次の段階」の印

自分のお産で眠気が来たら、もうひといきです。

もちろん、眠気が来なくてもだいじょうぶ。

わたしも真ん中の2人は眠くなりませんでしたから。

気にしないで、体の痛む場所、痛み方、自分が楽と感じる呼吸の変化などを感じてみましょう。

痛み・呼吸などに「変化」が始まった時が、あなたのお産が次の段階へ進んだ証拠です。

※1 分娩後期 に出現 す る産婦の 『眠気』 実態調査 分娩進行 に及ぼす影響 につ いて考 える――Sleepiness which Appears in the Latter Part of Labor—Studying the Effect on the Delivery Course—山田弥恵子等 助産雑誌1990

※2 正常月経周期,妊娠,分娩時のオピオイドペプチド動態の研究 慶応義塾大学医学部産婦人科学教室  日本産科婦人科學會雜誌 = Acta obstetrica et gynaecologica Japonica 37 ( 9 )  , pp.1813 – 1819 , 1985-09-01

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科学ジャーナリストなかむらあけみのプロフィール

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