どんな育児法よりも大事なこと。

 愛すことは許すこと。

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「愛とは、許すこと」と言われます。

多くの親御さんは、わが子が万が一、罪を犯して刑務所に入ったとき、何のためらいもなく、その子が出所するのを、ずっと待ち続けると言うでしょう。

でも、きっと、あなたの子どもが逆の立場でも、あなたのことを受け入れ、待ち続けてくれるのではないでしょうか。

子どもは見ている

先日、長男(2歳)のイヤイヤと私の寝不足が重なった時期がありました。

私は寝不足のイライラから、寝起きにかんしゃくを起こしていた彼のほっぺたを、思わず両手ではさんでしまいました。

力は入れていませんが「ぺチッ」という音が朝の寝室に響き、本人は目を見開いて私を見ました。

私は怒った理由を 冷静に説明したつもりでしたが、彼は口を一文字に結び、半分白目をむいて、納得いかない感情と闘っているようでした。

その数日後の朝。

長男が、自分のおもちゃを次男が取ったのに立腹して、次男をたたきました。

私がその手をつかんで「たたかない」と怒ったところ、長男はしばらくのち、絞り出すような声で言いました。

「ままは、たたく」

どきん、としました。

わたしがイライラを長男に八つ当たりし、それをごまかしたのを見抜いていたのです。あわてました。

数時間後、自分を落ち着かせてから、長男を抱っこし、正直に謝りました。

「この前はママ、眠くてイライラしていたの。ごめんなさい」

長男は「うん」とうなづいただけで私を責めず、ただ静かにもたれかかってきました。

ママだって一人の人間。

多くのママは「親は間違ってはならない」と思っているのではないでしょうか。

でも人間だもの、間違うこともありますよね。

相手が子どもだからといってその場を適当に取り繕っても、実は子どもは直感で、それが嘘であることをきちんと分かっているようです。

私は長男に次のことを教えられました。

「親は間違うこともある。でも間違っても軌道修正して、子どもに誠実に謝ればよい。

子どもは、きちんと受け止めてくれる」。

きっと、あなたのお子さんも同じだと思います。

以前、乳児院で育った女性を取り上げたドキュメンタリーを見ました。生まれてすぐに捨てられ、母に会ったことも、連絡を受けた事もないという人です。

どうしても母に会いたくて居所を調べた彼女をカメラは追いかけます。なんとか再会を果たしたと思ったら、母は、女性にお金をせびりました。

「自分が馬鹿だなって分かってる」。

女性は番組の最後に、再会後、何度も母から金を無心されていると話します。

「でも、それでも、お母さんに会いたいんだよね」。

心の底の方から搾り出したような声でした。

どんな育児法よりも。

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どんな親であっても、子どもはその存在を渇望するのです。ただ「あいしている」と自分を受け入れてもらいたいだけなのです。

それこそ、いのちの 渇望です。

子育てに不安を持つ皆さん。

あなたの子育てが、どんな子育て法であってもいいんです。

親はただ、子を抱きしめて「愛しているよ、生まれてきてくれてありがとう」とあたたかく言い続けてさえいれば、子は健やかに育つのではないでしょうか。

親は、子どもの愛を信頼し、そしてその愛に甘えすぎず、子と一緒にに育っていけばいいのだ、とわたしは思います。

 

◆◆◆科学ジャーナリストなかむらあけみとは?(元全国紙記者、3児の母)

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