Nスぺ「わが子がキレる本当のワケ」感想まとめ

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思春期の子どもが、突発的に反抗するのはなぜ?

思春期の頃、訳も分からず、イライラして大人たちに反抗してしまいたくなった人も少なくないはず。

だけど、いざ、わが子がそうなると、戸惑いますよね。心配ですよね。

NHKスペシャル「ニッポンの家族が非常事態!? 第1集 わが子がキレる本当のワケ」

2017年6月10日21時~の番組、内容をリアルタイムで番組見ながらまとめてみますね。

~~~番組冒頭のデータ~~~

・この10年で家庭内暴力2倍

・思春期の始まりの低年齢化 女の子の初潮が早まっている

そうそう、これは深夜まで起きてる子が増えてるのが原因ですね。睡眠時に分泌される第二次性徴を抑制するホルモンの分泌が減っているためと言われています。でも、番組ではそのことには触れていません。

・最新の研究で思春期は25歳頃までと判明?

25歳まで思春期かぁ…。長いなぁ…。

思春期の暴走はなぜ起きるのか?

アメリカの最新研究(カリフォルニア大学デイビス校)

思春期の脳には大人よりも偏桃体(怒りや悲しみなどを生む中枢)が敏感になる。

➡人の怒りや恐怖の表情を見せると、この部分が激しく反応

(アマンダ・ガイヤー教授)

思春期は精巣と卵巣から出る性ホルモンが体の変化を司るが

この性ホルモンが偏桃体にまでも影響を与えていることが判明。

樹状細胞に性ホルモンをかけると、シナプスが増える➡新しい神経細胞のネットワークがどんどんつながっていく➡小さな感情の興奮も広範囲に広がり、感情が増幅される➡思春期特有の感情爆発へ。

 

なるほど!これは分かりやすい。ちょっとしたイライラが一気に増幅される…。

だから急に怒り出すんですね。。。。

普段の2倍も激しい感情に振り回されるなんて、ほんとうにつらい!

思春期の脳は他人の感情にものすごく敏感

思春期の子どもにビデオの男性の顔が無表情→怒りへ変化するのを見せて

「男性が怒っている」と判断する時点を調査した実験の紹介(大人集団の判断する時点と比較)。

➡ほとんど大人の被験者が「怒っている」と感じない状況で、

多くの子どもたちが「怒っている」と判断。

「お父さんお母さんの不安の10倍不安だと考えていい」(渡辺久子教授)

また、前頭前野の感情抑制機能が十分に働かず、感情的な言葉を発しやすいのが思春期。

だからLINEなど、スピードの速いやり取りで、考える暇もなくやり取りをするのは、

歯止めがきかなくなって、友人同士の衝突を生みやすい。

普通の顔と顔を合わせたコミュニケーションでも、不安になりやすい思春期。さらに顔が見えないLINEやネットでのやりとりは、いっそう危険ですね。良く考えると私が思春期の頃には携帯なんてなかった。今の子どもたちの不安の大きさは、親世代が経験したものよりもはるかに大きいのかもしれません。。。親たちは、やっぱり子どもたちの心にもっともっと寄り添う必要があるんですね。(気持を受け入れつつも、要望を丸呑みしないというバランスが大事ですが…)

思春期は性ホルモンの作用で記憶容量が増大

感情爆発を引き起こす、脳の偏桃体は、記憶の中枢である海馬のすぐ近く。

偏桃体が海馬を刺激して、記憶力を強化する。

★人類の源流の生活を行うマサイ族の青年

★マサイ族の青年は700頭の牛の名前を憶えているほど。学ぶ意欲・力が高い時に生き抜く能力を身に着ける

思春期は大人の2倍リスクのある行動を取りやすい

側坐核などリスク行動に激しく反応する→リスクを好む

★マサイ族→けがや死のリスクを恐れず戦う。また、飢饉のときには新天地を求めて冒険する➡部族が厳しい環境を生き抜く力として不足の発展に必要な力となっている。

リスクを好むのは、前頭前野の成熟に時間がかかるため

思春期の衝動=リスクを恐れずに新しいことにチャレンジできる

感情を抑制する前頭前野の成熟は20代半ばからだということが最近、分かってきた。

非常に長い期間、なぜ人類は感情を抑制できないのだろうか?

あえて長い期間、リスクを恐れないようにしたのは、マサイ族のように種の繁栄のため。

「ネアンデルタール人は思春期がなかったと言われている。我々ホモサピエンスが反映した理由は思春期にある」

「だから親が嫌いだから感情爆発するのではなく、そうしないと自立できないから、していると理解してほしい」。

はるか昔から、人類は、思春期の若者たちのエネルギーを糧に繁栄してきた。人類には大事な時期。

この激しく変化する脳と格闘しながら、子どもたちは大人になっていく。

急速に変化する現代社会の生活が、

思春期の子どもたちにより激しいストレスを与えている。そのことを親は理解しておこう…

というような内容でした。

番組の中で、「親や家の中は安心できる場所」「その中で親が『もう勝手にしろ!』というのは、子どもにとってはきついこと」といったやり取りがあったと思います。親ができるのは、大人同士で子どもを見守る人間関係やネットワークを作っていくことだという結論でした。

子どもを見守るコミュニティづくりは並大抵の努力ではできません。今日明日につくれるものでもありません。親自身が、周りの子どもたちの親に働きかける自主性が必要ですよね。そして、大人同士がゆるやかに信頼し合い、頼りあえる関係を築いていくことが大事です。

でもね、今、この瞬間に思春期の難しい子どもに、わたしたち親は、どう対応したらいいのか…?その答えがなかったのが非常に残念でした。親自身も生活の一瞬、一瞬でできることがあるはず。オキシトシンの観点で、その試行錯誤をされたお母さんの経験と、お子さんの変化を下記のリンクで紹介しています↓(なお「最新科学であなたの育児がラクになる!」ご予約可能なワークショップはこちら(6月17日現在))

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