子どもの保育園入園の準備が始まると、いよいよ育休復帰への思いも現実かしますね。
さみしさと、不安。そして期待。
仕事の内容、
職場の人間関係、
子どもの状態、夫婦関係…
複雑な感情に振り回される時期でもあります。
ただ、復帰後は、仕事も育児も、理想通りには進みません。
「辞めたい」という思いも出てくるくらい、
悩み多く、そして自信も無くす時期でもあります。
当ページでは、育休復帰後にワーキングマザーが抱える「育休明けのつらさ」の根本的な原因、そして解決策について考えます。
不安だらけの復帰も、準備のプロセス、そして対策が分かれば、少し光が見えてくるはずです。
筆者はワンオペワ―ママ10年の4児の母、科学ジャーナリスト。数多くの悩めるワーキングマザーのご相談にのってきました。
「復帰前に退職を考えていたけれど、やめるの、やめました!」というお話、「復帰しても、もう全然迷いがなくなりました!子どもも活発になりました」というご報告を頂くたび、嬉しくなります。
あなたにもぜひ、「子どもも、わたしも、自分らしく幸せに生きる」を実現してほしいと願い、お届けします。
育休明け「不安でつらい毎日」9つの根本的原因とは?
<目次>
育休明けのワーキングマザーは、心身ともに不安定
・職場の同僚、後輩、特に独身女子からの嫌味がつらい
・育休明けに新しい仕事を覚えるのがしんどい。産休前よりも頭が働かない
・任される仕事が、ぬるすぎる。もっと仕事できるはずなのに
・職場の上司の理解がなくて、辞めたい
・子どもの急な病気で仕事を休むのがつらい育休明けの根本的な「不安」はどこにあるか?
・あなたの仕事の能力は下がっていない。むしろ能力は育児によって向上している。
・これまで通りの力技で乗り越えるのは、しんどいのが育休明け。
・あなた自身の心の葛藤、無価値観
・あなた自身の睡眠不足、体調不良
まとめ
育休明けのワーキングマザーは、心身ともに不安定
育休明けの女性は、親子一体で過ごしてきました。赤ちゃん・子どもとの生活で、基本的には赤ちゃん・子ども優先となり、自由が利きません。
結果として、「無力感」を感じながら生活をしてきました。
一人の時は、「自分は●●な才能がある」「●●の分野は得意である」と社会人としてあった自信は、出産と新生児の育児という未知体験ゾーンを経験することでガラガラと崩れ去っています。
例えば、交差点を渡るとき、ほかの社会人の人たちはすたすたと歩きます。
でも。
あなたはあっちへこっちへ歩きたがるイヤイヤ期の子どもを手を引きながら、いつ赤信号にかわるか気が気ではありません。
抱っこも重い。荷物も重い。ベビーカーも重い。
そういった経験から「自分は無力である」という気持ちを刺激されながら暮らしてきました。
そこに、これまでと同じように働くことはできません。なぜって「これまでの仕事」に加えて子どものことが新たに加わるからです。無力感を刺激されてきたあなたは、さらにしんどい不安と戦うことになります。。。。。
・職場の同僚、後輩、特に独身女子からの嫌味がつらい
あなたももしかしたら経験があるかもしれません。育休明けの女性の先輩の仕事を被ったことが。デートの時間が差し迫っていたら、残業が続いていたら、失恋したばかりだったら、、、
「あの人は結婚して子どももいて幸せそう。仕事も他人に振って…なのに私は」なんてことをちょっとくらい思ったことがあるかもしれません。そんなことを考えた経験があったならなおさら、もしかしたら後輩女子から想われているかもしれない…そんな、実際のあるのかどうかよく見えない不安も出てきます。
・育休明けに新しい仕事を覚えるのがしんどい。産休前よりも頭が働かない
育休中は、あなたは決してのんびりした生活ではありませんでした。
仕事ではなく、「育児」という部分の脳の筋力を鍛えていたのです。
その分、仕事の分野では筋力はなまっているかもしれません。
ですから、脳の筋力が元通りになるまで少しはリハビリ期間が必要です。
でも、そんなときに新しい仕事を覚えないといけないとなると…かなりしんどい。
しかも、人は一日に決定できる項目には限りがあります。服でもメニューでも仕事の大きな決定でも10個決めるだけでも公平に脳のエネルギーをかなり要します。
これまでは「仕事」のみの決定で終わっていましたが、子どものことは、一日でものすごくたくさんの決定をしなければなりません。必要以上にあなたの脳はキャパシティオーバーになっています。「頭が働ない」と感じるのも無理はありません。
・任される仕事が、ぬるすぎる。もっと仕事できるはずなのに
育休明けのワ―ママへの配慮に、ぬるい仕事を任されて、働いた気にならないという方も多数います。
「私はもっと働けるのに」
「私はもっと難易度の高い仕事ができるのに」。
悔しい思いをします。ほんとうに、くやしいですよね。。。。
・職場の上司の理解がなくて、辞めたい
・子どもの急な病気で仕事を休むのがつらい
育休明けの根本的な「不安」はどこにあるか?
先ほどもお伝えしたように、育休中は、あなたは決してのんびりした生活ではありませんでした。
毎日、何をしたか覚えている暇もなかったことでしょう。
名もなき家事をとことんやり続けてきた。
一円も産まないおむつ替えをひたすらこなしてきました。
それは、仕事ではなく、「育児」という部分の脳の筋力を鍛えていたのです。
赤ちゃんの未来という、お金なんかどうでもいいくらいの素晴らしいものを生産していたのです。そこは、絶対的に誰も非難できません。
本当に素晴らしい、かけがえのない生活だったのです。繰り返します。何物にも代えがたい、人類史上最も生産的な日々をあなたは送ってきたのです。
ただ、世界は「お金」「キャリア」が中心に動いています。その流れの中であなたは、違う場所へ武者修行に出て、新たな言語を獲得して返ってきたのです。
その言語がこれまでとは全く違うために、不安にかられています。
だって赤ちゃんのお世話で身に着けたものは、お金・キャリアの文化の中では、武器になるようなものは何一つないとあなたが思っているから。そこに、不安の根本原因はあります。あなたは、絶対的に無力ではありません。絶対的に命を懸けて守るものがある、強い母となって帰ってきたのです。
・あなたの仕事の能力は下がっていない。むしろ能力は育児によって向上している。
育児中は、「いかんともしがたい状況を、黙って受け入れる」修行の時期だったと思います。あなたには、「忍耐」というスキルが加わっています。我慢強い、ストレスに強いホルモン「オキシトシン」があなたの中には、出産前よりもさらに豊かに分泌されています。
つまり、あなたは「状況を観察する能力」「忍耐強さ」「人当たりの良さ」「マルチタスクをこなす能力」を新たに身に着けています。
それは「知識」でもなく「キャリア」でもありませんから、すぐに結果はでません。でも、確実にあなたの仕事の進め方を変えているはずです。
・これまで通りの力技で乗り越えるのは、しんどいのが育休明け。
あなたは、自立した女性として、ほとんどだれにも頼らずに仕事を進めてきたことと思います。育児も、人に頼ることをあまりせずに、独力でがんばって来られたと思います。独力で何事も切り開いてきた。力技です。
でも、育児しながらの仕事は、独力では無理な世界なのです。1つのことをやってきた(仕事)⇒1つのことをやってきた(育児)⇒2つのことを同時にやる(仕事と育児)になるのです。
誰かの力を大いに借りなければならない。それをすることが「弱者になってしまった」と悩むことでしょう。いいえ、真に豊かで強い母となるには「誰かに頼る力」を身に着けなくてはなりません。これが母として最も最重要で最難関のスキルなのです。育休明けは、この誰かに頼る力を伸ばす時期でもあります。