産院では出産後、「頻回授乳で母乳は必ず出ますから、頑張って吸わせてください」とたいてい言われるようです。
でも、頻回授乳を一生懸命しているのに、出ない!と悩んでいる方も多いのが事実。
退院後も、変わりません。
泣きながら助産所に駆け込んだとしても、助産師さんによっては再び色々な指導を受けて「頻回授乳を頑張って!」とただただ励まされるだけ。追い詰められてつらかった…という話を結構聞きます。
「出るから!吸わせて!」
わたしも言われたことあります…。
助産師さんも良かれと思って言ってくれてるとは思うんですが、産後に厳しい指導されると、けっこう傷ついて、後々まで心に残っちゃうんですよね。
そして、母乳は、スポ根じゃ出ないんです。。。。
その事実を、助産師さんは知らないのだろうか?
母乳が出るメカニズムについては、頻回授乳と「心のゆとり」も大きな条件です。
4人の子を産み、総計6年、授乳生活をつづけた科学ジャーナリストがお話しします。
執筆者:なかむらあけみ(科学ジャーナリスト 4児の母)
1人目出産の際、科学情報のプロでも正しい育児情報が判別できず、混乱した経験から、科学的で「育児の土台」となるシンプルな育児情報を広める活動を行う。各国の科学論文等から”幸せな育児にとって欠かすことのできない3要素”をまとめる。医療関係者等も聴講する講演の参加満足度は過去4年間、98%。
頻回授乳だけはもう古い?! 母乳の出をよくする方法
母乳は、当ブログで一生懸命お伝えしている愛情ホルモン「オキシトシン」が重要な役割を果たしています。
母乳自体は、プロラクチンというホルモンが生成するよう指令を出します。
次にオキシトシンが、母乳を押し出す「射乳」の指令を出します。
☝WHO 母乳10か条より
母乳の生成や射乳は、赤ちゃんがおっぱいを吸うことがきっかけで起こります。
だから、確かに、何度も何度も、赤ちゃんに乳首を吸ってもらうことで、
おっぱいは出るようになります。
でも。
でもね。
オキシトシンは、かなりデリケートなホルモンです。
心身共に「痛い」「しんどい」「つらい」という状況が重なると、
なかなか出ませんね。。。。
(ストレスがかかったらオキシトシンは出る場合もあるのですが、母乳の場合は当てはまらなそうです)
オキシトシンに着目した快適授乳の3条件
①赤ちゃんとの接触(赤ちゃんの手を乳房に触れさせる) ②昼はカーテンをしめた自然光か、夜も間接照明など薄暗くて安心できる環境(産後1~2週間は特に) ③睡眠など十分な休息、ストレスのないしずかな環境
もちろん、これまで通りの頻回授乳はやはり大事ですよ。
でも、上の3条件を無視して、やみくもに授乳してもなかなか出にくいかと思います。
残念ながら、産院では、なかなかこの3条件についての配慮がありません…。
授乳室も明るいし、病室も夜中も煌々と電気がついて明るい…。
オキシトシンに着目した母乳のだし方なんて書いてるサイトは、
ここくらいしかないでしょう(笑)
5年後にはこの3条件も頻回授乳と同じくらい一般的な情報にしたいと思いながら、
この文章を書いています。(でも、まだ全然、2020年ですら一般的になってません。)
①赤ちゃんの手は、魔法の手
最近の研究で、母乳は、赤ちゃんが乳首に吸い付く「吸てつ」だけではなく、
赤ちゃんの手が乳房を押したりすることにも反応していると言うことが分かっています。
赤ちゃんの手が乳房を触ることで、
母親の脳が反応してオキシトシンが分泌されやすくなるようです。
赤ちゃんに吸ってもらうだけではなく、
授乳の前でも、授乳中でも、
手を乳房に添えてもらうというだけで、母乳の出が変わってくるようです。
「頻回授乳」で乳首がもう痛くて仕方がないときありますよね。
そういう場合は、授乳の前に赤ちゃんの手を借りて、
乳首や乳房をさわさわと労わってあげてください。
口で吸うだけよりも、2重の刺激が脳に伝わるはず。
つまり、
赤ちゃんの口と手の両方の刺激でオキシトシン分泌UP
➡母乳が出やすくなる
➡乳首への負担が少なくてラク
なかむらも、実際に体感しています。また後日、ブログで紹介しますね)
☝この赤ちゃんの手が乳房に触れるのが大事
②オキシトシン分泌には安心できる暗さが大事
太陽光の真下や、蛍光灯が煌々としている部屋では、
私たちの目は、ぱっちり!開いて、興奮してしまいます。
オキシトシンは心身が落ち着いた状態で分泌されやすいので
間接照明や、自然光の下、
外での授乳なら日蔭を選んで飲ませてあげましょう。
産院の授乳室も、かなり明るいところが多いかと思いますが、
自室では昼間はカーテンを閉めたり、天井の蛍光灯ではなく、
枕もとの間接照明を利用したりして神経を休めるような工夫をしてください。
③「完全母乳」を意識しすぎると出にくい?
完全母乳のために頑張る!と意気込みすぎると
出ない場合は、それがものすごくストレスになります。
わたしは母親失格???とまで思い詰める方も少なくありません。
そして頑張って頑張って頑張って…心身ともにボロボロに。。。
そうなると、出るものも出にくくなってしまいます。
逆説的ですが「出なくてもミルクがある」と気楽に構えることが、
母乳の出をよくする近道です。
母乳育児でもミルク育児でも、母の存在価値は揺るがない
母乳が出ないから、母親失格…と落ち込むお母さんは少なくありません。
そして、母乳の場合、努力しすぎは、自分を追い詰めます。
母乳に関しては
デリカシーの無い言葉や
心無い指導で息詰まった経験のある方は多いです。
多くのお母さんたちが、家族や医療者、赤の他人の言動で傷ついています。
でもね、出ても出なくてもね、
最初から、赤ちゃんにとって、
あなたはそこに存在するだけでいいお母さんなんです。
母乳がたくさん出ても、全然出なくても、どちらでも、
あなたの存在価値は、まったく揺るぎません。
あなたの存在価値は、まったく揺るぎません。
あなたの存在価値は、まったく揺るぎません。
大事なところを繰り返しましたよ。
肝に銘じてくださいね。
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