コロナ明け、子が登校をしぶる本当の理由。親が変わると改善する?

primary school with covid-19

 2 行きたがらない理由。普段と全く違ってしまった学校生活

学校では、子どもたちはさらに緊急事態が続いている

大人にとっては緊急事態宣言は解除され、気持ちも、緩んできていることでしょう。逆に、子どもたちは、家庭でのんびり緩んでいた生活から、衛生管理に非常に緊張した状態にある学校に通い始めています。

「緊張➡弛緩」となっている大人に比べて、子どもたちは「弛緩➡緊張」。

子どもがイライラするのは、当たり前のことです。

学校の中では、「感染を拡大させない」という緊張下に教師たちはあります。「忙しすぎる」「病みそう」という声を筆者も周りの公立小中学校の教員から聞いています。
例しに「学校で今までと違う、たいへんな事は何かあるか?」と子どもさんに聞いてみてください。
たくさんのことが出てくるのではないでしょうか。

学習内容13か月分を9か月で行う、詰め込みの駆け足授業

2020年3月、4月、5月、授業がほとんどできていません。前年度のまとめに加え、新年度最初の重要な部分が欠けています。この失われた3か月分は大きい。ただでさえ、年間の行事予定授業予定は、しっかりと練り上げられた上に、余裕のない状態です。

夏休みの一か月分のゆとりを含めた計13か月分の授業を、子どもたちは、残り10か月分で行います。夏休み返上ですからゆとりもありません。文部科学省の通知(2020年5月15日付)では、年度当初の計画を実施しきれない場合は、翌年度、翌々年度への繰り越しも可能なことになっています。ただし、基本的には年度内に終える方針のようです(※新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等 の実施における「学びの保障」の方向性等について(通知))

お子さんに授業内容を聞いてみてください。あまりの駆け足に驚きますから。けれど先生方も必死でやりくりしてくれています。

また、小学1年生は通常、入学直後は1週間のうち、慣らしを含めて4時間目の日が多くなります。しかし、コロナ後は、5時間目ばかりの生活が続いているようです。もし、あなたのお子さんが習い事を続けられているのであれば、子どもたちの神経は、休む暇もないでしょう。場合によっては、塾や習い事の時間や量を調整してあげることも必要かもしれません。

行きたくない学校。大きな声を出せない授業

静かにしないといけない学校

感染者の少ない都道府県では少なくとも、机は1mを離して配置することになっています。感染者の多くなるにつれて、2m以上と変化していきます。

通常運転の学校では、隣の子との隙間が大きくなっているでしょう。授業中は、発表もままなりません。子どもたちは、発表も、マスクをつけて、小さな声で話さなくてはなりません。教師は、発表する子に近づいてその話を聞き、内容を、少し大きめの声でほかの子どもたちに呼びかけて、共有します。この繰り返し。

元気に大きな声で発表したい1年生たちも、大きな声を出してはならないのです。

「大きな声を出してはならない」。このことが、特に小学生にとっては、どれほどのストレスになるでしょうか?あなたは想像したことがありますか?

行きたくない学校。1日10回以上の手洗い励行

文部科学省の推奨するコロナ対策として、手洗いのタイミングが事細かに決められています。

・外か-ら教室に入るとき
・咳やくしゃみ、鼻を かんだとき
・トイレの後
・共有のものを 触ったとき
・掃除の後
・給食(昼 食)の前後 

これまでとは比べ物にならないくらい、厳しくなっていますね。

「外遊びから教室に入るとき」「共有のものを触った時」。文字にすると、何でもないように思いますが、これを毎回やれと言われたらどうでしょう?

日直さんは、黒板を消すたびに、手を洗います。共有の鉛筆削り、共有の学級図書、共有のロッカー、共有の教材、共有の…。単純に計算しても、学校では最低10回は手洗いをすることになるでしょう。共有のモノを触ることを換算しなくてもです。これまで自粛で家にいた子どもたち。

帰宅して手を洗うよう促すだけでも四苦八苦のご家庭では、わが子が10回も手洗いしている状況、想像できるでしょうか?でも、しないと、先生に指導されるのです。

文部科学省のマニュアルですから、先生方も必死でしょう。マニュアルを逸脱して、感染が広がったら先生の責任が問われかねません。言うことを聞かない、面倒くさがりの子どもたちを、先生方はどう、10回以上も手洗いをさせているのでしょう?

 もちろん、給食の配膳についても今まで以上に神経質な配慮が行われています。

圧倒的に教師に負担がかかっている。それをカバーする制度もない。つまり、学校現場では、子どもたちは、これまでの学校生活とは全く違うレベルで「厳しい状態」の中にいるのです。

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~(文部科学省)https://www.mext.go.jp/content/20200616-mxt_kouhou01-000007426_01.pdf

コロナ明け、休み時間も友達と自由に話せない学校も

小学校中学校には「10分休憩」と「20分休憩」がありますね。たいてい2時間目と3時間目の間は20分休憩が取られ、給食後の昼休みも20分です。残りの授業間は10分休憩のところが多いでしょう。

この10分休憩の間は「友達とおしゃべりするのは禁止」という学校もあります。友達と会話していいのは、外のみ。つまり、屋外へ出てよい20分休憩のみ。「1日に40分しか友達と話せない」状態が続いている子どももいるのです。

教育委員会によって対応が違うでしょうので、よかったらお子さんに確認してみてください。「感染拡大の阻止」と「子どもの健やかな育ち」は相反するようです。子ども達がストレスをためていくのも、無理はありません。

3 ギスギスした子どもの心。同級生たちとのトラブル

続きます(2/3)

LINEで送る
Pocket

primary school with covid-19