3 行きたくない学校。コロナで心が荒れた子どもたち
3カ月間の休み期間に子どもたちはどのように過ごしてきたでしょうか。
家庭によってはゆっくり充実した生活を送ることもできていた子がいるでしょう。
けれど、親が仕事を休めずに1人で留守番をしている子も、いたはずです。
4、5,6年生以上は、「一人で留守番」を3か月していた子どもは、多かったはず。休校中、どのような生活をしていたか?調査はされていません。ですが、相当数の子どもが「朝から夜まで一人」でだったでしょう。
ゲームに子守をお願いしていたご家庭も多かったのではないでしょうか?
任天堂のゲーム「あつまれ!動物の森」が非常な人気を博しましたが、ゲームを1日5時間も6時間もしていた子どもたちは、その分、リアルな人とコミュニケーションする時間がなかったということになります。その子たちが、急に集団の中に戻ったら…?
小中学生は、家庭から集団の中で育つ時期になってきます。「お父さん、お母さん」が一番だった子どもたちの精神面は、「友達」というキーワードが中心になってきます。この集団でのコミュニケーションの取り方を自然に学んでいく時期に、ゲームが相手という状態。
つまり、顔と顔を合わせてのコミュニケーションが未発達のまま、3か月を過ごした子どもたち。彼らが、再び集まってくるとなると…?大人の分からないところで多くのトラブルが発生しているでしょう。
もちろん、学童で過ごした子どもたちも、1日中、学童で緊張しながら過ごすのは大きな精神的な負担になっていたはずです。指導員の人たちも大きなストレスを抱えながら子どもたちを見ていたと、筆者も複数の指導員から話を聞いています(学童の運営自体も、綱渡りだったそうです)。
また、虐待を受けている子どもにとっては、3か月はどうだったか想像できるでしょうか?ネグレクトを受けている子どもたちは、給食もなく、生きているだけでも大変だった3ヶ月だったはずです。
そのような子どもたちが、再び集まってきたのです。トラブルが発生しないわけはありません。
つまり今、現在の子どもたちは、まだ緊急事態の中にいます。
この緊急事態の精神状況が落ち着くには、数ヶ月はかかるでしょう。
大人は「緊張➡弛緩」の時期。子どもは、「弛緩➡緊張」にある。そこをしっかり理解して、子どもの心に寄り添ってあげてください。
子どもが学校に行きたがらない。あなたは家庭で何ができるか
根本的に「あたらしい生活様式」に向き合わざるをえない子どもに対して、家庭でできること。それは、いくつもあります。全部する必要はありません。家庭の方針や現状にあったできることを、スモールステップでもやっていきましょう。
- 早寝早起きで、学校のリズムに子どもの体を合わせる
- 朝ごはんは少しでもいいので食べてから登校するよう促す
- 学校から帰ってきた後は、目を見て「1日、頑張ったね」と声をかけてあげる。
- スキンシップできる年齢の子は、スキンシップの機会を増やす
- 授業の進行状態を1週間に1回でいいので見ておく。
- 忘れ物がないか、確認をそっと手伝う。
- 宿題をしないのには、理由が何かあるはずだと思うようにする。
- 担任教諭との連絡をしっかり行う。
- 休日はできるだけ、外で思い切り遊ぶ機会を持たせてあげる。
- 宿題をしなさいと頭から決めつけいい怒るのではなく宿題をなぜしないのか考える。しんどいから寂しいから?
- 子どもの表情に普段以上に気を配る。「ただいま」の声だけでもその日一日の様子が分かります。
- 習い事の時間や頻度を、子どもと相談しながら、軽減する
まとめ
以上、「弛緩➡緊張」の状態にある子どもたちの姿が見えてきたでしょうか?
生活習慣の立て直しだけで、子どもは心身に負担がかかっています。計3ヶ月も休んでいた子どもたちは「過去最長」の休校期間で、生活習慣の立て直しだけでも、子どもは不安定になっています。
普段と全く違ってしまった学校生活も、子どもは心身の負担になっています。
学習内容13か月分を9か月で行う、詰め込みの駆け足授業が行われ、一日10回以上の手洗いなど厳しい衛生管理、そして休み時間も友達と自由に話せない状況があります。のびのびしたこれまでの学校生活とは違ったものになっているのです。
お互い荒れているので、友達関係もギスギスしたものになりがちです。3か月の休校中、クラスメイトはどんな生活をしてきたでしょうか。ストレスを家庭で出せない子どもは、学校で発散しています。対処に明け暮れる小学校教諭たちの心も、ギリギリです。
このような状況下にあるわが子の育ちを守るために、あなたができることとは?まず、家庭で生活習慣を整え、子どもをゆったりと包み込むことです。そのために、あなた自身が余裕をもって一日を過ごすためにご自愛くださいね。
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