赤ちゃんの寝かしつけ、しんどい。つらい。逃げたい。
そんな風に思うのは、自然なこと。しんどいと思う自分を責めないでください。
赤ちゃんの寝かしつけの総論からきちんと生活を立て直していくと、どんどん楽になります。
わたしは1人目、2人目の時、ほんとうに寝かしつけが苦痛で苦痛でたまりませんでした。
1番寝かしつけに長くかかった長男の時は長くて2時間かかり、
「この時間、無駄すぎる。つらすぎる」とつらくて泣きそうになりましたね。。。(遠い目)
4児の母となった今、4人目の赤ん坊(8か月)の寝かしつけにかかる時間は、わずか1回5分です。
うちの子だけが特別なんじゃありません。
赤ちゃんの睡眠のコツを知れば、たいていの赤ちゃんに効果を発揮するでしょう。
というわけで、寝かしつけ特集3回目の今回は、ベッドで横になった赤ちゃんを寝かせるテクニック7選をお伝えします!
このテクニックは、眠い赤ちゃんをスムーズに眠りに誘導するテクニックです。
まずはここで総論を復習しておきましょう。
総論を踏まえ、赤ちゃんの眠りの環境を整えてから、今回のテクニック10選を実行するとより効果が高くなります。
◆総論◆
①母さんが昼寝をして、体力を十分につけておく(母の睡眠不足解消で、母子とも精神的に安定します)
②いつも同じ生活スケジュール、おなじベッドで寝かせる(1時間ほどの時間のずれは構いません)
③朝、7時前に起こしたら、日光を浴びさせる
④おっぱい、抱っこで寝かせない(おっぱい/抱っこによる寝かしつけは、母をのちのち苦しめます…)
⑤日中、たくさん抱っこ、マッサージするなどして、赤ちゃんが「お母さんに愛されている」と実感できるよう触れ合う
詳しくは「赤ちゃん寝かしつけ4つの黄金ルール<特集①>」「赤ちゃんの朝まで睡眠7ステップ<特集②>」をお読みください。下にリンクを貼っておきます。
おっぱい以外でも、イライラしない寝かしつけができる?
「④おっぱい、抱っこを使わない寝かしつけ」ってしんどいんじゃない??と思われる方も多いかもしれませんね。
おっぱいを加えさせるとしずかにすぐに眠ってくれます。だからおっぱいで寝かしつける人もたくさんいますよね。私も1人目、2人目までそうでした。
でも、おっぱいを使った寝かしつけは、2~3時間おきに赤ちゃんが目を覚まし、親による寝かしつけを再度求めてきます。結果、睡眠不足の生活が卒乳/断乳まで確実に続きます。(くわしくは「赤ちゃんの朝まで睡眠7ステップ<特集②>」をお読みくださいね)。
けれど、「おっぱいもない、抱っこもない、ベッドに寝かせるだけ」の寝かしつけは違います。慣れるまでは大変かもしれませんが、赤ちゃんもあなたも慣れてくると、寝かしつけにかかる時間は本当に短くなります。朝まで眠ってくれる可能性もぐーんと高まります。赤ちゃんもあなたも睡眠不足から解放されます!
じゃぁ、おっぱい/抱っこ以外で寝かしつける場合は、どんなことをしたらスムーズに赤ちゃんが入眠できるのでしょう?
あなたが好きな枕の硬さが人とは違うように、赤ちゃんだって好みの寝かしつけテクニックは異なります。
様々なことを試してみて、あなたとあなたの赤ちゃんがここちよい方法を発見してくださいね。
そのためには、テクニックの手持ちの札は多い方がいいです。
今回は、愛情ホルモンオキシトシンの知識と、4児をほぼ8年間、毎日赤ん坊を寝かしつけてきた、なかむらが絞り込んできた有効な寝かしつけテクニックをここでお伝えしましょう!
本当に今、生後8か月になる4人目は、昼寝も夜も、寝かしつけにかかる時間は、わずか5分間だけなんです。
ただ、テクニックを使う前に、最初に大事なことがあります。赤ちゃんの「眠いサイン」を見逃さないことです。
寝かしつけの前に覚えておこう、赤ちゃんの「眠いよサイン」
スムーズな寝かしつけで最重要になってくるのは、赤ちゃんが「眠すぎて寝られない」という酷い状態になる前に寝かしつけてあげることなんです。眠い時にする癖が「眠いよサイン」。あなたの赤ちゃんが眠そうな時、必ずしているしぐさがあるはずです。毎日観察して、そのサインを発見してくださいね。
「眠いよサイン」の参考例
①あくびをする(あくびを2回したら黄色信号!ベッドへ寝かせてあげて下さい)
②頭を掻きだす(眠いと頭に手をやって髪の毛や、頭の皮膚を掻き始めます)
③横になりながら「ウーーーウーーー」と小さくかわいい声でうなりだす(「自分で眠る力」を発揮しようとしています。今がベッドへ行くチャンス!)
③自分で首をブンブンと左右に振っている(これも「自分で眠る力」を発揮しようとしています。今がベッドへ行くチャンス!)
④手足の温度が熱くなる(←手足の毛細血管が開いて、赤ちゃんの体が眠る準備を始めた証拠です)
触ってみて、手足が熱くなっていたら、落ち着いて、ゆっくり即座にベッドへ!
睡眠テクニックで、赤ちゃん熟睡まであと一押しです。
つらい寝かしつけから自由になれる!赤ちゃんの入眠がスムーズになる寝かしつけテク8選
ではベッドに来ました。ベッドにお尻から先に横たわらせましょう(モロー反射で目が覚めるのを防止するためです)
あなたも横になります。さぁここから、テクニック7選。手を変え品を変え、あなたの赤ちゃんの好みを発見しましょう!
◆◆◆◆寝かしつけテク7選◆◆◆◆◆
①タッピング(トントンする)(タッピングは、愛情ホルモン「オキシトシン」が分泌されます。タッピングの場所も赤ちゃんによって好みがあります。お腹の右左、背中、太ももなど、赤ちゃんが落ち着く場所を探してあげましょう)
②「シーーーシーーーーー」と赤ちゃんの耳元であなたが声を出しつづける(歯と歯の隙間から無声音を出すようなイメージです。体内の音の再現)
③低い落ち着いた声でゆっくりと、いつも決まった子守唄を歌う(単調な音楽がいいですね)
④耳の後ろや首筋をそっと指先で撫でる。もしくは髪の毛を手櫛でかく(これも愛情ホルモン「オキシトシン」効果です)
⑤おでこから鼻の付け根まで、サッサッサとすばやくこすり続ける(子宮にいたときは頭を子宮壁にくっつけていましたよね。その再現)
⑥チュッチュッチュッチュとやさしく、頭や頬っぺた、おでこなどにキスし続ける(口へのキスはNG!!!虫歯の原因となるミュータンス菌が親から子へ感染します)
⑦赤ちゃんが眠すぎて号泣してしまったときは、一時的にうつ伏せにして、背中一面を、ほどよく強めにタタタタタタと叩く(手のひらではなく、何かを片手で包み込むときのように指を丸くして、赤ちゃんの背中とあなたの手のひらの間に空気を含ませて叩きます。赤ちゃんの号泣が落ち着いたら、仰向けにして、ほかのテクニックで入眠させてください(あおむけで寝かせるのは、乳幼児突然死症候群を防止するためです)。
⑧赤ちゃんの呼吸のリズムと同じリズムで、あなたも耳元でそっと呼吸し、その呼吸の音を赤ちゃんに聞かせる(呼吸を合わせることで、赤ちゃんを熟睡へ導きます。これは、かなり効果が高いです)
⑦の「呼吸合わせ」は、非常に効果が高いので、おすすめです。ただし、泣いている状態の赤ちゃんにはあまり効果がないので注意してくださいね。
赤ちゃんの「自分で眠る力」を引き出してあげると、寝かしつけのイライラから卒業できる!
赤ちゃんは入眠する直前、ひと泣きすることがあります。
この時に「まだ寝ないんだわ」と思ってあなたが抱っこしてしまうと、さらに泣いてしまう…という状態に。
あきらめないでもう少しだけ待ってください。この泣きが一山超えるための泣きなのかどうか、次第に判断がつくようになってきますから。
日本中/世界中のお母さんたちが、赤ちゃんの寝かしつけをもっと簡単だと思ってもらえますように…。
わたしもずっと苦労してきた分、一人でも多くの親御さんに寝かしつけのヒミツを知ってほしいと考えています。
親も赤ちゃんも、双方の良質な睡眠は幸せを感じることのできるホルモン「セロトニン」「オキシトシン」分泌がスムーズになり、より深い愛情を感じあえる親子関係が育っていくからです。
一組でも多くの親子の快適な毎日を願って、この特集、もう少し続けますね。
執筆者:なかむらあけみ(科学ジャーナリスト 4児の母)
元全国紙科学部記者。1人目を出産した際、[何が正しい育児情か?]が科学部記者でも分からず混乱した経験から、育児情報のメディアリテラシーに関心を持つ。各種論文や学会などを漁り、幸せで健康な育児にとって欠かすことのできない3要素を発見。「①さわる・みつめる②ねる・たべる③お産をふりかえる」だと理解し、自分と同じように苦しむお母さんが一人でも減るよう、「育児の土台」となるシンプルな育児情報を広める活動を行っている。